皆勤賞は必要ない?!

先日、朝日新聞記事で「皆勤賞もうほめない?」を読みました。

www.asahi.com

 

最近、皆勤賞を廃止する幼稚園が増えているそうです。
理由は、

  • 体調が悪くても登園する園児や登園させる保護者がいる
  • 休む大切さを教えるため
  • 生まれつき体の弱い子もいる

というものです。

記事を読んで、私が真っ先に感じたのは、「いい方向に進んでいるな」ということでした。小さい頃からの「出席=よいこと」という評価が、「休む=さぼる」という価値観に擦り替わっていると感じることが多いからです。例えば、職場で有休がとれない・取らない人がいますが、これは「休むのは不真面目」という暗黙のプレッシャーが、年配の方を中心にまだまだ根強くあります。不登校の子も、学校に行くことができない自分を「ダメな子」だと感じやすいです。

小さい頃の環境は、その後の人生に大きく影響すると思うので、幼稚園がそのように動いてることが本当に素晴らしい事だなと思いました。むしろ、皆勤賞ではなく、「有休制度を幼稚園や小学校に導入したらいいのではないか」という意見もネット上で見て、「なるほど~」と思いました。小学生のうちから「有休を取る」ことに慣れていれば、社会人になっても心置きなく取れそうです♪

「自由に休みをとっていい権利=自分を大切にしている」といった価値観が広がってほしいです。


さらに、大学で体育会のコーチも務める夫に意見を聞いたところ、「体育会にも有休があってもいいかもな」と、これも「なるほどー」と思う意見を聞けました。確かに、中高大のクラブ活動も、休みづらい雰囲気ありますよね。「家族旅行などで休むなどはもってのほか!」という同調圧力ありましたー!

でも、年に何回かは家族旅行でも恋人との旅行でもバイトでも自分のために正々堂々と休んでいいんじゃないでしょうか。結局、これまでは風紀が乱れるとか統制しにくくなるとか、勝てなくなるとか、管理する側に都合のよいようになっていたのだと感じます。

 

一方、皆勤賞を続ける園は、

  • 頑張りを認めてあげたい、
  • 継続の大切さを学んでほしい

といっています。

ネットなどで調べると、どうやら廃止に反対する意見の方が世の中の声では大きいように感じました。

 

「うーーん。」

 

頑張りを認めてあげたい、継続の大切さを学んでほしい。

確かに、分かります。わかるのですが、このことを学ぶのに「毎日休まず出席した」ことを、ことたてて表彰しなくてもよいのでは。イチローの高校時代のように毎日素振りを10分するということかもしれないし、私が今取り組んでいる毎朝ウオーキングをするというものでも継続の大切さは学べます。

本人が自分から「毎日休まず行く」と決めて頑張るのは、心から応援しますが、園として、社会として皆勤をほめたたえることもないでしょう。

 

余談になりますが、以前、ある歯科医院を取材した時にとても印象的だったことがありました。
院長が「親は子供に、“歯医者さんに行ったらお菓子をあげる”と約束したり、“行けて偉かったね”と褒めたりする。でも、これはそもそも、歯科が嫌な所、頑張らないと行けないような所という認識からスタートしている。歯科は身体に良いことをする良い場所なのだから、そういう言い方はおかしい」とおっしゃっていたことです。その歯科では、きちんと歯科の役割を説明し、人と人のつながりを大事にして「患者がまた来たい、元気になると思える空間」作りに取り組まれていました。

 

これはとてもヒントになる話だと思います。


幼稚園や学校自体を毎日行きたくなるような、ワクワクする、知的好奇心が満たされる、仲間との楽しみがある場所にするように工夫したりアイデアを出していくことの方が、皆勤賞より必要です。

 

さて、記事によると、皆勤賞の原型は明治初期にあり、その後、努力主義、勤勉さが日本に根付き、近代に入ってからは富国強兵などの背景があって普及につながったのではないか、とありました。古くからの制度を見直して、新たな価値を取り入れていく時期なのではないでしょうか!

 

プロフィール
id:はてなIDをここに入れる
名前・ニックネーム等

ブログの説明等

##ブログ名をここに##をフォローする